忍者

NKYYSD2007-02-16

http://www.ninja-movie.jp/
 
K-1ファイター魔裟斗の出演(主演ではない)で何とか(国内では)話題を作りたい(らしい)、香港×中国×日本合作の忍者映画。
主演はウォン・ジーワー(誰が主役なのか分かりづらいが、たぶんそうだと思う)。
監督はハーマン・ヤウ。そう、あの『八仙飯店之人肉饅頭』の監督だ(て一生言われるんだろうな、この人)。
  
甲賀忍者一族と伊賀忍者一族が激突するアクション大作!…て、まあ、やりたいことは分かるんだけど、全編中国語の忍者映画ってのもねえ。ショー・コスギとかのアメリカン忍者と違和感は変わらんかったわ。
 
つーか、忍者ていうと必ずあの黒装束ってのも、そろそろどうにかならんもんかね。ギャグとして使うならいいんだけど、真面目に「忍者映画です」って言われると憔悴(ゲッソリ)するのよ。今回は黒の他に白とか赤とか緑とか紫とかカラフルだったけど(戦隊モノか)。現代の真っ昼間にそんなもん着て(しかも帯刀して)走り回ってたら、目立ちすぎて「忍(しのび)」にならんだろうに。台詞で「忍者は素性を明かさない」て言ってて自分で疑問に思わんのか。
 
あと、忍者を超人として描きたい気持ちは解るけど、猛スピードの車を駆け足で追い越す冒頭シーンは、明らかにやりすぎ。思わず爆笑しちゃったじゃんか。
 
て、この手の作品にそんなこと言っちゃいかんのだけど、海外製忍者映画のワンパターンには、さすがに食傷気味でね。アクションがどうとか、役者がどうとか以前に、まだ忍者映画やるのか!?てのが先に立ってしまうのよ。
もっとも、最近は日本の忍者映画も、なーんか今一つだけどねえ。ここ数年の忍者映画で(ある意味)一番面白かったのは『チアリーダー忍者』だったもん(笑)。
 
と、「忍者映画」に関する不満を並べてみたものの、本作のストーリーそのものはそんなに悪くない(特に終盤)。『SHINOBI』なんかよりよっぽど山田風太郎テイストなケレン味があって、暇つぶしには充分かと。アクション的にも(アクション監督がニッキー・リーだから)なかなか格好良く仕上がっているし。
 
ただ魔裟斗のアクションに関しては特筆すべき点はない。いくら格闘技で鍛えた肉体があるとはいえ、剣技やワイヤーアクションは別物だからね。全てのアクションを本人がやったわけでもないそうだし、魔裟斗のアクションを楽しみに観ると残念感が強いかも。むしろ『爆裂都市』(石井聰亙のほうじゃないよ)でアクションを経験した白田久子や、『カンフーハッスル』のホアン・シェンイーといった女優陣のほうが、ワイヤーアクションに慣れてて自然な動きだった。
 
3月31日、銀座シネパトスにて公開。ワイヤーアクション好きな人はどうぞ。