ゾンビ・ハネムーン

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『幽霊VS宇宙人』ほどじゃないが、余りの(ホラーらしくない)展開にびっくりしたゾンビ映画。ちなみに『ゾンビ・ハネムーン/大カマのえじき』(1987)とは全く無関係の別作品。 
タイトル通り、ハネムーン先でゾンビに襲われた若夫婦の話で、旦那がゾンビに変身。ここまではゾンビ映画のセオリー通りに話が進むのだが、その先は完璧な恋愛ドラマのセオリー。ゾンビになっても妻を愛する旦那と、それを受け入れようとする妻。しかし旦那は手当たり次第に人間食っちゃうし、どんどん死人みたいな顔になってくし(当たり前だけど)で、若妻の「愛」がひたすら試され続ける。果たして愛の力は、ゾンビの本能に打ち勝てるのだろうか!?…みたいな。
 
ロメロ御大なら、(ゾンビと化した旦那に)真っ先に妻を食わせるだろうけど、まあゾンビ映画市場もそれだけ成熟しちゃったんだろうね。話としては結構面白いというか、解りやすい恋愛ドラマなんだけど、ゾンビ映画でここまで愛を語る理由がイマイチわかん。ゾンビ映画にそんな崇高なテーマは期待してないのよ、俺としては。ていうか、愛だの友情だのといった人間独自の関係性が、本能の趣くまま動き回る死者によって、いかに脆く崩れ去るかを描いたほうが怖いでしょ。
てことで、個人的には途中でバカらしく感じてきたのだが、若妻役のトレーシー・クーガンが意外と演技上手で、つい最後まで観てしまった。どことなく若い頃のシガニー・ウィーバーを彷彿させる美貌。結構気に入った。でもたぶん彼女がスターになることはない気もする。なんとなく。