ユアン少年と小さな英雄

風呂に入れよ、どっちも

http://www.albatros-film.com/movie/yuan.html
 
時は19世紀。今から130ほど前のスコットランド。警察官ジョン・グレイが飼っているテリア犬ボビーは町の人気者。中でもユアン少年(オリバー・ゴールディング)はボビーが大好きで、いつも一緒だ。
だがジョンが不慮の死を遂げてからというもの、ボビーは教会墓地に眠る主人の側を離れようとしない。追い出されても追い出されても主人の墓に戻ってくるボビー。断固として主人の墓を守ろうとするその姿が住人達の胸を打ち、ボビーはますます人気者になる。だがそれを面白く思わない町の有力者は、ボビーを「野良犬」として処分しようとする。それを知ったユアン少年は、小さな友人を守るために勇気を出してある行動を起こすが…てな話。
 
忠犬ハチ公』に『オリバー・ツイスト』を足して2で…割り切れなかった映画。ハチ公…ていうかボビーの話はともかく、オリバー・ツイストならぬオリバー・ゴールディング演じる、ユアンの孤児物語がちょっと余計だったかなあ、と。
  
とはいえ元になる話(忠犬ドラマ)はスコットランドでは有名な実話だとか。
アメリカ人エレノア・アトキンソンが書いた本を原作として、1961年にディズニーが映画化もしている。日本じゃ未公開だったけどね。↓

Greyfriars Bobby [VHS]

Greyfriars Bobby [VHS]

 
本作では、スタッフの一人が飼っていたというテリア犬が実に素晴らしい演技を見せる。

ボビーを助けようとする市長役にクリストファー・リー。市長ていうより、やっぱドラキュラみたいに見えるけど、市長が野良犬に手を差し伸べたのは史実だとか。それは良いエピソードだね。
当時を再現した町並みや衣装も、その手の資料としては価値がありそう。
 
まあ、作品としての出来はともかく、犬好きとしてはタマラン話ではある。なんだろうね、主人のために何年も待ち続けたり守ろうとしたり、犬ってのは泣かせるんだよなあ。昔飼ってたサスケって犬も、やんちゃな奴だったけど良い「弟」だった。いつも一緒だったし。死の間際、俺の腕の中で甘えてた姿は生涯忘れられないと思う。てな思い出を刺激されて、(本筋とは無関係に)妙な感慨に浸った映画だったわ。てことで、犬好きの方はどうぞ。吹き替えはないけど、子供が観たら喜びそう。
 
来年3月頃公開予定。
 
ちなみにこれ↓は、実際にエディンバラに飾られているボビーの彫像。

 
こっち↓はボビーの墓(たぶん)。主人の墓より立派。