エコエコアザラク

大道芸的五亡星

http://www.ekoeko.jp/
 
最近忙しくて、なかなか試写へ行けないよ〜とこぼしてたら、APC のIさんが新作のサンプルビデオを送ってくれた。ありがとう!良い人だ!
 
早速開封。おお、『エコエコアザラク』! 懐かしいなあ。子供の頃、少年チャンピオンでよく読んだわ。個人的には「ブラック・ジャック」よりこっちが好きだったな。古賀新一の描くキャラはどれも同じ顔してたけど、黒井ミサだけは可愛かったし。女子校生なのに黒魔術の達人で、「エコエコアザラク、エロイムエッサイム!我は求め訴えたり〜!」みたいな。て、それは『魔界転生』か。いやでも沢田研二天草四郎は良かったよ。千葉真一柳生十兵衛もスゴかったし。
 
いや『魔界転生』の話はどーでもいいのであって、『エコエコアザラク』がまたもや映画化。これまで何度かテレビドラマ化され、吉野きみか主演で2回、佐伯日菜子で1回映画化もされている。それだけ固定ファンがいるってことだろうね。まあ、黒魔術を使う女子校生っていう設定だけでいろいろ作れそうだし。
 
てことで、今回は一気に2本が作られた。赤をイメージしたという『エコエコアザラク R-page 』が12月16日、黒をイメージした『エコエコアザラク B-page 』は12月30日に公開予定。それぞれが連携して一つの話になる凝った造りだけど、なんで2本に分けたのかは意味不明。
  
先に公開される R-page は、破壊の悪魔エゼキエル 復活の予兆を察知した黒井ミサ(近野成美)が、とある町で起きた不可解な事故の謎を追う話。エゼキエルを探すミサはジャーナリストの隆(虎牙光揮)や、礼拝所で暮らすシスター(伊藤祐子)、孤児のワタル(梅澤詩音)、冴子(柳沢なな)らと出会い、なぜかやたらと歩き回り、隆は冴子に人生論を語り(ここ恥ずかしい)、最後はエゼキエルをやっつけるために理不尽なことしてエンディング。
  
なんだこれ?(笑)
  
R-pageはとにかくB-pageへの導入部的要素が強い。展開はもっさりと冗長だし、正直(単体として)面白い!とは言い難い。低予算なのは分かるが、映像的にちょっと物足りないんである。虎牙光揮も全くアクションしないし(彼ほどのアクション俳優が勿体ない)、「次々と事故が起こる」という設定なのに事故の映像はほとんど無いし。それに肝心の悪魔エゼキエルがアレだし…。そもそもエゼキエルって悪魔だっけか? 旧約聖書に出てくる予言者じゃなかった? まあその名を悪魔にしちゃうあたりが、いかにも黒魔術的ではあるけど(笑)。
 
一方、B-page のほうは一転してオカルト・テイスト溢れる佳作。R-page で描かれた事故によって、恋人兼モデルのミリス(秋山莉菜)を失ったフォトグラファーのリョウ(高木りな)が、エゼキエルの力を使って(黒魔術で)ミリス復活を企む。エゼキエルが未だ消滅していないことを知ったミサは、再びエゼキエル封印のために立ち上がるが…てな感じ。
 
R-page とは打って変わって、映像的にも力強く、テンポも良い。過去の『エコエコアザラク』と比べても遜色ないどころか、たぶん出来としては一番良いかも。
ただ、それは先に R-page を観ていた場合の話。B-page だけだと、やっぱり説明不足。聞いてるだけで恥ずかしいポエジーな台詞も相変わらずあるし(こっちでは愛を語ってる^^;)。
 
うーん、難しいなあ。一つの話が二つに分割されていて、片方は面白いけど、もう片方はイマイチ。じゃあ面白い方だけ観ればいいかというと、それだけ観ても意味不明なので、楽しむためにはイマイチも観なくてはならない。やっぱこれは一本にまとめるべきだったんじゃないかねえ。
 
テレビシリーズを含め「エコエコアザラク」が好きだった人や、近野成美のファンは両方観るべき。好きならその価値はある。ていうか両方観ないと意味分かんないよ
それほど好きでない人は、2本合わせて3000円以上払う価値は、さすがに無いかも。まあ、金と時間に余裕のある人はお好きにどぞ。
  
ここは本音を書く場所と決めているので、Iさん読んでたらごめんね(笑)&ありがとう。また送ってね(^^ゞ。
 
12月16日よりR-page、12月30日よりB-page
渋谷シネ・ラ・セットにてイブニング・ロードショーエコエコアザラク (1) (ザ・ホラーコミックス)