2番目のキス

私を野球に連れてけ

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リンジードリュー・バリモア)はキャリア志向のビジネス・コンサルタント。これまで同じ世界に属する、いわば「勝ち組」男としか付き合ったことのない彼女は、ひょんなことから出会った高校教師ベン(ジミー・ファロン)と交際をスタートさせる。ベンはユーモアにあふれ、優しく献身的で、学校の子供たちや多くの友人からも愛されるナイスガイ。これまでの男たちに感じられなかった人間的温かさに惹かれたリンジーは、彼との結婚を意識し始める。しかし、それだけのナイスガイが未だ独身なのには理由があった、と。 ま、そりゃそうでしょね
実は、ベンは熱狂的なボストン・レッドソックスのファンだったのだ。シーズンが始まると、伯父から譲り受けた年間指定席での観戦を、23年間1試合たりとも欠かしたことがない。何よりも野球を愛するベンを受け入れようと努力するリンジーだったが、有史以来、男女の中で幾度となく繰り返されたあの問題…そう「私と○○とどっちが大切なの!?」というアレにより、二人は破局の危機を迎えるのであった。てな話。
 
お話としては当然、ベンの野球への想いがたっぷり描かれることになるわけだが、ここらへんは少なからぬ男性客が、強く共感を持つことだろう。別に「野球」が、てことじゃなくて、正直 恋だの愛だのより趣味が大事って人も多いだろうし。「私と○○とどっちが大切なの!?」と質問されて、「そりゃ本質的にはお前の方が大事に決まってるけど、今この局面においては○○以上に大事なものなんてこの世に存在しねーんだよ!めんどくせー質問してんじゃねえよ!」と思いつつ、「はは…比較する次元の問題じゃないよ」なんて逃げたことのある男が世界中で数億人はいるに違いないし。
 
それ以前に、かなりのアメリカ人にとってベースボールというゲームは、もはや一つの文化だからね。俺は野球ファンじゃないけど彼らが心から野球を愛し楽しんでる姿に、なーんか感動するのよ。野球に限らずスポーツであれ音楽であれ、対象を心から愛し、心から楽しんでる人を見るのが好きなの。理由はわかんないけど。一つの事にのめり込めない性格なんで、心の底から一喜一憂できる対象がある人が羨ましいのかも。て、俺自身の分析はどーでもいいか。
 
それにしても、すっかり「キス女優」にされてしまったドリュー・バリモア。『25年目のキス』、『50回目のファーストキス』に次いで「キス・シリーズ最新作」だそうな。て、そんなシリーズいつ出来たのよ。ていうか原題は『Fever Pitch』(熱狂)でキスと関係ないじゃんか。原作のタイトルは「ぼくのプレミア・ライフ」だし。
  
まあ、一言で言えば、よくあるハリウッドお得意のラブコメ

ただ、原作は『ハイ・フィデリティ』や『アバウト・ア・ボーイ』の原作者でもあるニック・ホーンビィだし、監督は何とファレリー兄弟。流石にラブコメとしては文句なしの出来。
ブコメというと女性をターゲットにした作品と思われがちだが、本作は男性客も充分に楽しめる一本。若いカップルのデート映画としては申し分ないと思う。鑑賞後の会話ネタとして使える部分も多そうだしね。
てなわけで、デートの予定がある方は是非どぞ。
 
ちなみに原作は、作者がイギリス人なので「野球」じゃなくて「サッカー」への愛を綴ったエッセイ。

ぼくのプレミア・ライフ (新潮文庫)

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