ミッション・インポッシブル3
http://www.missionimpossible.com/
トム・クルーズ主演のシリーズ三作目。
現役を退き、IMFの教官となったイーサン・ハント(トム・クルーズ)は、最愛の恋人ジュリア(ミシェル・モナハン)と幸せな日々を送っていた。だが、教え子のリンゼイ(ケリー・ラッセル)が国際的武器ブローカー(フィリップ・シーモア・ホフマン)に捕らえられた為、イーサンは自ら救出に立ち上がるのであった!
と、冒頭からアクションに次ぐアクションなわけだけど、「敵に捕らえられても当局は一切関知しない」が鉄則のIMFがいきなり路線変更。いいのか、それ。案の定、任務は失敗して教え子死んじゃうし。
この辺りから、ていうか「最愛の恋人」なんちゅーのが出てきた時から、あ〜きっとこの恋人が誘拐されて、その命と引き替えにイーサンが敵のために働くことになって、でもってタイムリミットとかあって、ていうか完全に「24」の展開に…なんて想像してたのよ。最後は秘密にしていた自分の正体が恋人にバレちゃうけど結局ハッピーエンド…というラストまで想像しちゃって(笑)。まあ、俺だったらそれくらいしか思いつかないよな〜と。
そしたら何とビックリ!
まったくそのまんまだった。
すげーなエイブラムス監督!あんたの脚本、俺の想像力と同レベルかよ(笑)。
ていうか、やっぱテレビ屋なのかね。これまでのブライアン・デ・パルマやジョン・ウーは流石に映画らしい絵を撮っていたけど、今回は妙にテレビ的だったもん。何ヶ国でロケーションしようと、妙に小さくまとまっちゃうのがテレビ屋の悲しさかね。まあタイム・サスペンスにしちゃうと、どうしても絵的には小さくなりがちなんだけど。
とはいえ、これだけ金のかかった映画だし、何といってもベースにあるのは「スパイ大作戦」だからね。俺なんかラロ・シフリンのあのテーマ曲聞いただけでワクワクしちゃうもん。だから、本作だって面白くないわけでは決してないのよ。どんだけ先が読めようとも、シークエンスごとに手に汗握らせるアクションはお見事としか言いようがないし、適地へ潜入する時のトリックというかギミックというか、いかにも「スパイ大作戦」らしい手口はいつ見てもカッコいい。ジェームズ・ボンドみたいに女コマして潜入するんじゃなくて、本シリーズ特有の、マジックみたいな手口のほうが個人的には好きなのよ。
あと面白いのは事件の鍵を握る「ラビットフット」なる存在。映画用語で言うところのマクガフィンね。要はそれの正体が何であっても本筋には影響しない(登場人物にとっては重要な)小道具なんだけど、それをここまで印象的に使った作品は(最近では)『父、帰る』以来(な気がする)。
それに、これ観て思ったんだけど、個人的に何だかんだと問題があるにせよトム・クルーズって役者は、「最後の正統派ハリウッド・スター」なのかもしれないな。奇矯な言動や派手な金遣いでゴシップを売りつつ、端整な顔立ちとチャーミングな笑顔でファンを喜ばせる華やかさ(オーラ)があって、名前だけで客を呼べる。そーゆー大作向きのハリウッド・スターって減ってきたからね。演技が上手いとは思わないけど、仕事に関しては真面目だって聞くし、スタントも全部自分でやるし、貴重な存在だよ。(でも『宇宙戦争』は酷かった)
てなわけで、トム・クルーズのファンは勿論、スパイ映画やアクション映画好きなら観て損はない…かもしれない。なーんも考えずに楽しむには最適。
あ、最後に、試写に誘ってくださったTさんに感謝。またプチ例会やりましょう!
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