猫目小僧

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「いつも井口監督いらっしゃるんですけどねえ。今日に限って来られないみたいで。残念ですねえ」
と、宣伝のKさんが申し訳なさそうにしていたが、いやいや居なくてホットしたのよ。だって井口監督作品ほとんど観てないんだもん(^_^;)。作品観てないとやっぱ気まずいし、試写の後に何を訊こうか考えながら観てると落ち着かないのよ。そばにいても全然気にならなかったのは水野晴朗監督くらいだったし(笑)。いや笑うとこじゃないけど。
ていうかさあ、俺は兼業ライターだからインタビュー記事やるとなると面倒なのよ手続き的に。せっかく話を聞いても、それを記事に出来なかったら申し訳無いもんね。
 
 
とまあ、それはともかくこの映画、期待しないで観たら結構面白かった。楳図ワールドの「怖くて面白い」「気持ち悪いけど可愛い」といった(俺が子供の頃に感じていた)感触と、久しぶりに遭遇した気分。何もかもチープだけどドラマ構成がしっかりしてるから安心して楽しめたというか。これは多分に脚本の巧さに拠るところが大きいね。脚本は安田真奈。さすが俺の娘と一字違い。て、誰だこの人と思って調べてみたら結構苦労して出てきた人なのね。えらいなあ。なんか世の中の人、みんな俺よりえらく思える。
 
えー。ただ、あれよ、あれですよ。「面白かった」と言っても、それはあくまでこの手の確信犯的キッチュ映画としては…てことね。楳図かずおの漫画を面白いと思えない向きには当然お薦めしない。ほんと、あの漫画の世界をただ実写化したような感じだからね。ある意味日本の『モルタデロとフィレモン』みたいなもんかと。
 
それに、これだけは不満だったんだけど、猫目小僧の顔がいかにも「かぶりもの」てのがどうもねえ。今時トロマだってやらんだろちゅーくらいコテコテのお面。小僧といいつつ大人が演じてるから顔がデカいのなんの。あれじゃ猫目親爺だよ。予算無いのは解るけど、せめて猫目くんの顔だけはもうちょっと作り込んで欲しかったなあ。
 
役者について言えば、ヒロインを演じる石田未来はちと太りすぎだけど楳図漫画の雰囲気はあり。その父・田口浩正を虐めるつぶやきシロー酷薄さがリアルで怖い。妖怪ギョロリを演じる竹中直人は存在そのものが妖怪っぽい。そんな感じ。
 
あと主題歌の「あしゅらの道のまん中で」/「猫目小僧」(浅草ジンタwith楳図かずお)、カラオケになったら歌いたい。

追記:DVD化されますたね

猫目小僧 DVDおたのしみボックス (Amazon.co.jp仕様)

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