ザ・ウッズマン

 
最近は世の中物騒というか、幼い子供が犠牲になる犯罪が多くて、子を持つ親としてはかなり不安なんである。なんか数ヶ月毎に幼児誘拐殺人事件が起きてるし、児童相手の性的いたずらや虐待は日本中いたる所で毎日のように報道されているし。あぶない変態さん多過ぎ
うちの近所でも、小学校に侵入した男が逮捕されたり、通学路で女の子に声を掛けてくる怪しい男が目撃されたりと、親としてはかなり心配。変態は嫌いじゃないけど、そーゆのは大人同士が合意の上で楽しんで欲しいのである。子供を対象にしちゃダメ。
て、大人の女に相手にされない連中がそっちに走るのかもしれないけど、怖いのでやめてください。いやマジで。
 
そういえば最近耳にした噂なのだけど、どうやらかつて中学生の時に小学生を殺し、日本中で有名になった人が同じ市内にいるんだとか。ちょっと前までは隣のH市にいたが、正体がばれて居づらくなり、こっちに引っ越してきたんだそうな。て、あくまでご近所の噂だからどこまで本当だか知らないけど(どうも怪しい噂ではある)、逮捕当時は精神的にかなりヤバいと言われてた彼が未成年ということで短期出所したのは事実。まあ冤罪だったという説もあるのだけど(参考 )、親の正直な気持ちとしてはやっぱ不安なんである。噂の真偽を確かめる手段がなくてもどかしいのだ。
 
てな状況になると、やはり気になるのはアメリカのミーガン法。(参考
一度でも性犯罪を犯した者にとっては明らかに人権侵害な上、社会復帰の道を閉ざされてしまう酷な法律だとは思うけど、性犯罪者の人権より再犯防止のほうが重要との意見を、俺は否定出来ない。特に子供だけを狙う性犯罪の再犯率が突出しているのは、世界共通の現象だし。米国では他の犯罪平均の10倍以上、日本、フランス、ドイツでは約4〜6倍というから、犯罪者の人権ばかり構ってられない気分になるもんね。
  
と、前置きが長くなったが、ケヴィン・ベーコンが迫真の演技を見せる本作は、児童への性犯罪を犯した者にとって更正或いは贖罪とは何か、また社会は彼らをどう受け入れるべきかという点について深く考えさせる秀作。
  
ペドファイル=児童性愛者として12年間服役したウォルター(ケヴィン・ベーコン)が、ミーガン法下のアメリカで人生をやり直そうとする物語。現実を直視したシビアなドラマだが、微かに希望を感じさせるラストが良い。ハッピーエンドという意味ではないが、こうした希望がなければ今の社会そのものが成立しなくなるでしょ。日本で話題になった映画「コンクリート」にはそれが無かったから辛いだけだったけど。その意味でも本作は、とてもバランスが取れた作品と言える。
 
ちなみに、タイトルの「ウッズマン」とは、狼に飲まれた赤頭巾ちゃんを助ける樵(きこり)のこと。狼になるか樵になるかの境界線で、自分自身に怯えるウォルターの姿は非常に印象深い。
ちなみついでに、ウォルターの恋人役カイラ・セルジウィックは、実生活でのベーコン夫人。この人の演技も素晴らしかった。
 
めちゃめちゃ地味だけど、極めて良質な一本。今のところ公開未定なので、なんとか日本公開が決まって欲しいものだ。