白バラの祈り ゾフィー・ショル、最後の日々

http://www.webstyle.ne.jp/movie/roadshow/0510sophie.htm
 
ヒトラー〜最期の12日間」(オリヴァー・ヒルシュビーゲル監督)は、なかなかの力作であったが、そのラストでヒトラーの女性秘書トラウドル・ユンゲが、ゾフィー・ショルについて言及している。「白バラ運動のゾフィー・ショルと比べて、自分はなんと無自覚であったことか」と。
 
ふ〜ん。ゾフィー・ショルねえ。
 
……誰?
 
というわけで調べてみたら、あの時代のドイツ国内で、反ナチスと早期戦争終結を訴え続けた、勇気と信念に溢れた女子学生のことであった。世の中には、ヘタれな俺なんぞには真似の出来ない、立派な人がいるもんである。そして彼女が、兄ハンスと共に中心的存在として活動したグループの名前が「白バラ」なのであった。えらい人たちだったんである。なんか、フツーに感心しちゃったんである。
(白バラについては、このへんのサイトが詳しかった↓
http://www.weisserose.vis.ne.jp/
http://www.alpha-net.ne.jp/users2/tmegumi/ss/fact.htm )
 
と、映画「ヒトラー〜」より、そっちの史実にいたく感心していたら、いいタイミングで本作の試写にありついた。
うーむ。正義と悲劇のヒロイン系だよね〜と軽く観はじめたけど途中で居住まいを正しちゃった。ナチ体制批判の抵抗運動を展開した「白バラ」グループと、逮捕から一方的な裁判を経て処刑されるまでのゾフィー・ショルの数日間を再現した、すんごい意欲作だったのだ。
最近発見されたゲシュタポの尋問記録を元に、当時の取調官の息子(といってもすでに83歳)にまでインタビューし、細部にわたってリアルさを追及しただけのことはある。本年ベルリン映画祭銀熊賞(最優秀監督賞・主演女優賞)受賞も納得。主演ユリア・イェンチの演技には、マジで胸を打たれた。事実の映画化も、「ドミノ」みたいな活劇はちょっと微妙だったりするけど、こゆのは素直に面白いと思うんであった。
 
それにしても、「ヒトラー〜」にしろ「ゾフィー」にしろ、ドイツの新しい映画作家たちはナチスという自国の暗い歴史に真正面から向かい合いだしたね。日本もそろそろ、あの時代の史実を掘り下げた映画とか、なんか出来ないのかな。
もっとも、ベルリン国際映画祭コンペ部門に出品されて話題を呼んだロシア映画「太陽」アレクサンドル・ソクーロフ監督・昭和天皇の苦悩をイッセー尾形が演じる)は、いまのところ日本じゃ配給元さえ見つかっていない(先の例会で「見つかった」という噂は聞いたけど)。というか、掛ける小屋がないんだろうね。一つの映画として、外国で昭和天皇がどう理解されているかというのを、観てみたいんだがなあ。まずはその辺から変わって欲しいもんだ。
 
追記:これもDVD化されますたね

白バラの祈り -ゾフィー・ショル、最期の日々- [DVD]

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