奇妙なサーカス

http://www.masumi-circus.com/
 
実の父であり、校長でもある剛三(大口広司)に犯される続ける小学生、美津子(桑名理瑛)は静かに心を病んでいく。母、小百合(宮崎ますみ)は娘に女として嫉妬し、剛三を奪われまいと今まで以上にセックスに耽る。やがて美津子はそんな母を自分の心に宿すようになる。
 
何年か後、変態的な官能小説が人気の女流作家・三ツ沢妙子(宮崎ますみ・二役)は、自叙伝かと思われるような小説を執筆していた。
新人編集者・田宮雄二(いしだ壱成)は、編集長(田口トモロヲ)から、謎に包まれた妙子の素性を調べるよう命令される。なんでも言うことを聞く「ロボちゃん」として妙子に可愛がられる雄二だったが、雄二には雄二なりの秘密があって…。
 
いかにも園子温監督作品らしい(?)エログロ見せ物映画(R-18指定)。
なかなか他人にお奨めしにくい映画だが、「見せ物」としての完成度は高い。
個人的にはもっと過激にエンターテインメントしてても良い気がするが、まあ日本の映倫だとこれが限界か。完全な鬼畜映像になるより、この程度で抑えた方が結果的にはよかったのかもしれない。
 
グロとバイオレンスの中で、宮崎ますみのエロスが強調される。ふんだんに使われる血ノリに彼女の白い肌が映える。たぶん、それがメインの映画なんじゃないかという気がするし、それはそれで面白い。つーか、いろいろ意味づけしようとすれば可能だけど、面倒なんでそういうことにしておく。「自殺サークル」観た人なら園監督の面白さ(とヤバさ)は分かるだろうし。(観てない人は観ないでいいです^^; ちなみに観た人の感想はたいていこんな感じ↓
http://jtnews.pobox.ne.jp/movie/database/treview/re4225.html
と同時に、同作はカナダファンタ映画祭で観客投票第一位をも獲得)
 
正直言えばもっとエロを期待してたんだが(娘を持つ父親としては近親相姦&児童虐待系は乗れない)、まあどうしてもこうなる監督だからなあ。園監督曰く「(宮崎ますみをエログロの世界に描いたのは)この人だったらそういう世界のほうが輝くんじゃないかなって。エロスだけだとちょっと違って。タナトスに重きを・・・」だそうだから仕方ないか。
 
とりあえず、エロいけどポルノじゃなくて、グロいけどホラーじゃない(サイコサスペンス的要素はある)、基本的にはファンタジーってことで。かなり哀しい話だけど。
どっかの中心(だと思い込んでるところ)で誰かが叫んでる日本映画よりは、なんぼかマシ。なんぼか胸に迫る。なんぼか泣ける。なんぼも痛い。そういう意味では良い日本映画だ。宮崎ますみが女優復活作として選んだ理由はわからんが。
 
ちなみに俺が一番印象に残った台詞。
剛三の新しい愛人(不二子)が、美津子の見つけたイヤリングを取りあげ、返してくれと哀願する美津子を見つめながらそれを飲み込んじゃうシーンの、「だーめ。ウンコにしちゃう(ごっくん)」。
ウンコて(笑)。
 
追記:DVD化されますた

映画「Strange Circus奇妙なサーカス」(主演・宮崎ますみ)写真集

映画「Strange Circus奇妙なサーカス」(主演・宮崎ますみ)写真集