七人のマッハ!!!!!!!

http://www.gaga.ne.jp/lineup/index.html
 
面白い!
韓流の次は「タイ道」だな。間違いない。…たぶん。…ていうか可能性は低いか?
ただ、韓流を支えた客層が主に女性だったのに対し、「タイ道」が流行るとしたらその客層は男性中心になるであろうことは予想できる。特に精神年齢が中学生くらいで停止した男性(俺とか)にはかなり受けるであろう。
 
ちなみにあの「マッハ!!」の続編みたいなタイトルだが、アクションにCGやワイヤーを使わない本物指向である点と、スタッフの一部が共通するだけ。直接の続編ではない。
 
とにかく、前半はかなりスピーディに進行する。これがまた切れのあるアクションで結構魅せる。ていうか、観てて本当に痛みを感じられるアクション(スタント)というのは、最近じゃなかなかお目にかかれない。俺的にはそれだけで満足なんだけど、後半はドラマの展開も「スゴい」。誰かに話したくなる類の映画なので、以下サクッとストーリー紹介。思い切りネタばれするので、嫌な人は以下を読まないように。
でも、どんだけネタばれしても、この映画が持つ強烈なインパクトは減じない(はず)。アクションの迫力には、マジ感動したもの。
 
さて。
 
冒頭は刑事ドラマ。主人公デューが先輩刑事と麻薬組織の大ボスを逮捕する。しかし大ボスが仕掛けた爆弾によって、先輩刑事が殉職。ここまではかなりイイ感じ。

傷心のデューは、妹が参加するスポーツ選手団と一緒に国境近くの村を慰問しに行くことに(どういう心理が働いたのかは不明)。
村人達から温かい歓迎を受ける選手の皆さん。選手じゃないのにデューも歓待される(村人は何かの選手だと思ってる)。
もっとも村長のバカ息子は、スポーツ選手ばかりがチヤホヤされて面白くない。酔った勢いで選手にからんだ挙げ句デューに殴られ、親父にも叱られ、ちょっと可哀想な奴である。
 
その時突然、武装集団が村を襲う。軽機関銃の乱射でバタバタ死んでいく村人たち。すごい数の村人が射殺されるのだが、最初に登場した村人と比較して、どう見ても人数が増えている。殺されるほど増殖していく村人たち。なんとなく怖い気もするが、村はあっという間に制圧されるのであった。
 
武装集団の目的は、昨日デューが捕まえた麻薬組織の大ボス救出。
武装集団を率いる中ボスは村人の虐殺映像を政府に送り、残った村人を人質として大ボス釈放を要求する。まあ、これじゃ政府も断れまい。アメリカ政府なら断るだろうけど。
この組織は軍隊並の武装に加え、ハイテク装備がすごい。大量の監視カメラを操り、議会のパソコンを瞬時にハックし、首相の声紋鑑定は5秒で確認しちゃう。CTUより優秀
しかも、どこから運んできたのか核ミサイルまで持っていて、バンコク目がけて発射しようとしていた。恐るべき核拡散時代である。
 
なんだかんだあって、村人と共に捕まるデュー。核ミサイルの存在を知っているのは彼ひとり。スポーツ選手達にそれを伝えて計画を練り、夜の闇に紛れて反撃開始か!と思いきや、殴られて気絶してしまうデュー。悪夢にうなされ、目が覚めたら朝の六時。ちなみにミサイル発射時刻は八時。大丈夫なのか二時間で。というか映画として、その無駄な一晩を描く意味は何か。
 
しかし、そこは主人公。ラジオで流れる国歌を耳にした彼は、いきなり国粋主義アジテーションを始める。あっさり煽られる単純な村人たち。だが勢いに任せて決起したものの、作戦もなければ武器もない。わーっ!と立ち上がった瞬間に射殺される可哀想な村人たちであった。
 
その騒ぎのスキに、というか村人を盾に、反撃を開始する七人のスポーツ選手(正確には六人のスポーツ選手とデュー)。それぞれの得意技を駆使して敵を倒していく。一流選手だけに、その技量は大したもの。だが、機転の利かないスポーツ選手の悲しさか、デュー以外は誰も倒した敵の銃を使わない。果物を蹴ったり、ヤカンを蹴ったり、物干し竿で逆上がりしたり、躾の厳しいお母さんが見たら激怒しそうな技で戦い続ける。
 
スポーツ選手が非効率的な戦い方をしている間に、銃を奪った村人たちの頑張りによって形勢逆転。村人達が敵を蹴散らす。村長のバカ息子も体中撃たれながらトルネードランチャーで中ボスを粉々に。いいぞ村人!頑張れバカ息子!ていうか、映画としてそんなサブキャラが中ボス倒しちゃっていいものか。選手達が相変わらず効率の悪い戦法で戦ったり、逃げたり旗振ったりしてるので、仕方無いんだけど。
 
一方、核ミサイルの発射準備は着々と進行していた。しかも、それを指揮する小ボスが意外と強い。単身、ミサイル発射阻止に向かったデューも小ボスにボコボコにされてしまう。半分気を失ったデューの横で、勝ち誇った小ボスがゆっくりと最後のスイッチに近づく。ああバンコク危機一髪!
 
なかなかハラハラさせる展開だが、そこは映画。最後の一瞬に主人公が鬼神の働き…と思わせておいて、小ボス平然とスイッチオン。ミサイル発射。さらばバンコク
あまりの展開に驚愕するデュー(&観客)。怒りに駆られたデューは小ボスを叩きのめす。小ボスはノートパソコンに叩きつけられ、頭蓋骨折して絶命。今頃倒しても遅いけど。
とにかく、バンコク壊滅が決定的となった今、小ボス一人倒したところでカタルシスなど得られないデュー(&観客)であった。ミサイルの軌跡を表示するパソコン画面見つめながら、号泣するデュー(&爆笑する観客)。
 
と、突然ミサイルが進路を変えて、タイ近海で大爆発!
どうやら小ボスを叩きつけたパソコンが制御装置だったらしい。核ミサイルがそんな安っぽいシステムで制御されていて良いのか疑問だが、デューの特技は爆弾処理らしいので、もしかしたら小ボスの頭蓋を叩きつけることで高度な解除処理をしていたのかもしれない。
ホッとした表情を見せるデュー。近海の海は生態系が死滅し、放射能被害は半端じゃないと思われるが、とりあえず直撃の危機は去ったのだ。一件落着。めでたし、めでたし…なのか?とにかく笑顔のデュー。
 
かくして偶然ハッピーエンドを迎えた七人は、軍隊(今頃来た)のトラックに乗って意気揚々と、来た道を帰っていくのだった。
後には壊滅した村と村人達の死体が転がっている。完。
 
と、まあこんな感じ(かなり違う気もする)。筆力不足でこの面白さを伝えられないのは残念だ。マジ面白いので12月公開を期待せよ!
 
追記:DVD化されますた