不良少年(ヤンキー)の夢

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ヤンキー母校に帰る」の原作者、義家弘介のベストセラー自伝「不良少年の夢」を映画化。
不良少年の夢 ―全国から集まってきた高校中退者や不登校生徒と共に戦う“元不良”だった教師の熱き挑戦!
 
ていうか、「俺って昔はこんなにワルだったけどさあ、こんな風に更正して教師になって、今じゃ横浜市教育委員会委員まで務めてるんだぜ〜」みたいな自伝ってどうなのよ。気恥ずかしくないのかな。いや別に書くこと自体を批判してるわけじゃないんだけど、それ読んで「ああ俺も更正しよう」て思うヤンキーがどれだけいるかなと。そもそもヤンキーてあんまり本読まんでしょ。読むのはPTAとか真面目な子とか。
その意味じゃ映画化したほうが多少は広く伝わるのかもしれないけど、文部科学省選定・全国PTA全国協議会推薦とかやっちゃうと、ヤンキーはますます敬遠しそうな気がするんだけどな。つーか、そーゆーところのお墨付きだってんで、下手に映画観賞会とかやって学校単位で観せたりすると、真面目な連中が「お〜ヤンキーってかっこいいじゃん」てことになりかねないかと。
 
映画自体は、テレビの延長と思えばソコソコの出来。主演の松山ケンイチもかっこ良かったし。
ただ、実話のハズなのに、出てくる不良達が意外と素直で驚いた。その学校を追い出されたら他に行くアテのない少年達だからなのかもしれないが、教師の前では直立不動だったりしてなんか可愛い。
教師を始め大人たちが真っ正面からぶつかり合っていたからなのか、なんとか高校だけは卒業しようと決意した少年達だからなのか。たぶん後者の比率が高いんじゃないかな。俺もかなり荒れた高校に通っていたから不良(教師の目からは俺もその一人と映っていたようだけど、俺は単にそいつらと気が合っただけ)の気持ちも多少は解るつもりだが、本当に手の付けられないような連中は、あんな素直じゃなかったよ。よっぽど、ここが最後だと思わない限り、彼らがそう簡単に素直にはならんでしょ。
 
そう考えると、この学校を「最後の居場所」にしようと決めた彼らは、元々根性のある連中だったんだろうな。えらいもんだ。逆に言えば、ダメな奴は結局ダメで、土壇場で立ち直れる奴は、どこにいようと実は立ち直れたりするのよ。そーゆーのを現実に沢山見てきた者の実感としてそう思う。
なので、これを文部科学省選定作品にして不良達に観せても、そこから何かを感じ取って更正する奴も中にはいるかもしれないけど、何も感じ取れない奴は何も感じずに終わる。たぶん後者が圧倒的多数。
映画そのものの出来とは関係なく、映画を道具として、お上からの押しつけで何かを感じさせようというのは大した効果を上げないと思うんだがな。
 
映画とは関係ないが、試写会場(え〜と名前忘れた東銀座の駅直結ビル地下二階)初めての所だったんで、とりあえず行って席取って、受付に「トイレどこですか?」て訊いたら「屋上です」て。屋上て!
地下二階から屋上までエレベータで行かないとトイレも行けないのか!すんげーやな所だ。
上映中に催して映画に集中できないのは嫌なので、いつも直前にトイレを済ませるのだが、この場所ではそれがかなり大変。よほど観たい映画でなけりゃ二度と行かない。