タッチ・オブ・スパイス

なんでもかんでも「ニューシネマパラダイスを越えた!」というコピーにするのはどうなのかね。そりゃ、おじいさいんと孫の、どこか郷愁を誘う物語というのは共通するけどさ、製作国も違うし、内容だって違うんだし。まあ、それだけ「ニューシネマパラダイス」という映画が偉大だったということかもしれんが。
 
それはともかく、この映画が極めて上質な作品であるのは間違いない。
良質な素材、熟練の職人技、隠し味のスパイス、どれをとっても文句なし。まさに極上の料理のような深い味わいを楽しませてくれる。映画が語りうる「物語」としての完成度は、ほぼ満点と言えるだろう。
惜しむらくは、そこに厚みが欠けていること。料理で言うならちょっとボリュームが足らなくて満腹にならない。すんごく美味しいんだけどね〜ちょっと量が足らないや、て感じ。
まあ、それはかなり個人差のあるところであって、腹八分目でちょうど良かったと感じる人も少なくないだろうけどね。
 
ギリシャでは入場者数が135万人を越え、社会現象にまでなった「ギリシャ映画史上最も成功した作品」。
50〜60年代におけるトルコとギリシャの対立(キプロス紛争)といった歴史も解りやすく描かれて勉強になったし、なにより出てくる料理の美味そうなこと!
試写会場で危うく涎を垂らしそうになったのは初めての経験。
プレスに「コンスタンチノーブル風シシカバブー」のレシピが載っていたので、今度作ってみようっと。
 
追記:DVD化されますた

タッチ・オブ・スパイス DTSスペシャル・エディション [DVD]

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