いのちの食べかた

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これ、お奨めの一本。
我々が普段食べているものは、どこから来て、どのように加工されてくるのか。食の安全性が叫ばれる中、その安全性と生産効率を追求するために、どのような技術が使われているのか。
 
誰もがその効率性の恩恵を受けながら、多くの人が目を背けてきた、あるいは関心すら持たずにいる、食材の生産現場。特に屠畜の現場。ベルトコンベアで運ばれ、工業製品のような流れ作業で解体されていく動物たち。バキュームで吸い上げれ、逆さ吊りにされて首を切られる鶏や、電気ショックを受ける直前にイヤイヤをする牛たちなど、出来れば見たくない場面も少なくない。まさに製品(食材)と化する瞬間だ。
 
でも、これこそがあの美味い焼き肉やステーキや吉野家マクドナルドやケンタッキー・フライド・チキンなのよ。ここで「食材」と化した「」は、我々の胃に直結しているのだ。
 
日本では、こうした現場と部落差別問題が微妙に絡んでいたことから、長く映像化がタブーとされてきた。ある意味、世界で一番、こうした現場を知らない国なのかも。毎年(国内だけで)300万トンの食肉を消費してるというのにね。とにかく、どんなことでも知っておいて損はない。目を背けることなく現実を直視し、命を頂いていることに感謝すべし。
 
ナレーションもBGMも無い、アート映画のような美しい映像も印象的。
 
11月渋谷イメージ・フォーラム他、全国公開。