女帝 エンペラー
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シェイクスピアの『ハムレット』を五代十国時代の中国に翻案…てな話はどーでもいいか。そういった試み自体は珍しい事じゃないしね。チャン・ツィイー主演で重厚かつ豪華絢爛な映画を撮ろうとすれば、まあそんな感じになるでしょう。
もっともチャン・ツィイーがワン王妃役(ガートルード役)というのは、ちょっと意外だった。しかもダニエル・ウー演じるウールアン王子(ハムレット役)にとって、「元恋人&元義母&今は義理の叔母」という複雑かつ生々しい設定。まあ、チャン・ツィイーにダニエル・ウーの実母役をやらせるわけにもいかんだろうけど(笑)。
ちなみにウールアンの父である先帝を暗殺し、権力と共にワン王妃を奪い取った新帝リー(クローディアス役)を演じるのは、『活きる』のグォ・ヨウ。そしてウールアンを一途に想い続けるチンニー(オフィーリア役)に、今や中華スターの一人となったジョウ・シュン。 更にチンニーの兄、イン・シュン将軍(レイアーティーズ役)は、な、な、なんとホァン・シャオミン! …て誰だこいつ? 竹野内豊を逞しくしたようなイイ男だけど初めて見たわ。あ、似てると言えばダニエル・ウーも若い頃の榎木孝明に似てる気がするな。似てるよね?
そんなことはともかく、実は個人的に一番興味深かったのは、ウールアン皇子が使う短剣「越女剣」。さりげなく使われてるけど、これって古くは『平妖伝』に描かれ、かの金庸も短編の題材とした伝説の剣でしょ。いやあ、この映画でお目にかかれるとは思わなかったわ。ていうかアクション監督はユエン・ウーピンだし、越女剣は登場するしで、活劇部分がかなり面白かった。中途半端にシェイクスピアやるより全編武侠映画にしちゃえばよかったのに(違う映画になっちゃうけど…笑)。
まあ、基本的には女の愛と欲望を中心に据えた、豪華絢爛な復讐劇。どちらかといえば不得手なジャンルだけど、本作は結構楽しめた。男女ともに楽しめる要素があるので、デートとかに向いてるかも。
もうすぐ公開。
- 作者: 金庸,岡崎由美,林久之,伊藤未央
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2001/06
- メディア: 単行本
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