天軍

同胞殺し

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豊臣秀吉朝鮮出兵文禄の役)における閑山島海戦で、一躍名を挙げた李舜臣。韓国では伊藤博文を暗殺した安重根と並ぶ国家的英雄。「世界四大提督の一人」とも(朝鮮半島内だけで)呼ばれてるらしい(ちなみに国際的に通用するのはホレーショ・ネルソン、ジョン・ポール・ジョーンズ東郷平八郎の「世界三大提督」)。まあ、だいたいあっちのほうでは、英雄といえば日本人殺した人ばかりだけどね。
 
そんな李舜臣の青年時代に、現代の南北朝鮮軍がタイムスリップしてくるこの映画。ん〜それって戦国自衛隊…いや、いいけど(笑)。で、そのきっかけとなるのは南北朝鮮で密かに共同開発していた核ミサイル…オイオイ。
ステルス・ミサイルを開発して「世界で唯一アメリカを先制攻撃できる国になるのが目標」て、気持ちは解るけど、国際社会は今の朝鮮半島がその目標を持つことを歓迎しないと思うなあ。日本人の一人として俺も反対したい。
 
案の定、アメリカに見つかって召し上げられそうになり、北朝鮮のカン少佐(キム・スンウ)が部下数人と持ち逃げ。追いかける韓国のパク少佐(ファン・ジョンミン)。至近距離なのになかなか当たらない銃撃戦の最中、地球に近づいてきた彗星の影響でタイムトリップ(なんでだよ)。何人かの兵士が死んで、残ったのは南北併せて七人。蛮族に苦しめられている農民たちから「天軍」と崇められた七人は、青年時代の李舜臣と共に蛮族を撃退すべく、農民に戦闘訓練をするのであった…て、それ『七人の侍…いや、もう(どうでも)いいや(笑)。
 
戦国自衛隊』に似た設定ながら、同作で見られた「同胞を殺すことへの躊躇い」というのは全くない。最新兵器を駆使して、蛮族を殺しまくる軍人たち。自分の直接の先祖だったらどうするのかな〜と思うけど、きっと自分の祖先が蛮族だったかもしれないなどとは考えないんだろね。李舜臣も、実はコソ泥だったっていう設定だし(笑)。
 
とまあ、日本人が観ると色々突っ込み所のある映画だけど、意外と楽しめたのは事実(マジで)。なんにせよ「映画を観たなあ」という気分にはなる。日本の映画観てると「テレビドラマの延長じゃん」てのが少なからずあるけど、韓国映画はその点映画は映画らしく撮るからね。金の使い方が上手いというか。CGの使い方も巧いし。
脚本も時代考証より男泣きドラマを目指してる感じだし、細かいこと気にしなければかなり楽しめる映画。
 
俺は気にしたけどね。
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