コーチ・カーター

MTVが製作したバスケット映画。なんかいかにも、て感じだよなあ。
ヒップホップに乗って筋肉質の黒人少年達がダンクシュートとか決めちゃうワケね。
スポーツ映画というよりダンス映画みたいなもんでしょ。
 
と、勝手に先入観を膨らませていたら、意外や意外、なかなか面白い映画であった。
単純なスポ根映画とも違ってたし。
弱小チームが何らかの理由でやる気を取り戻し、強敵に勝てるまでに成長する。場合によっては大会で優勝する、というのがスポ根映画のセオリー。ところが本作は試合に勝つことだけを目的としていない。まあ実話がベースだっていうのもあるんだろうけど。
貧民街で育ち、バスケだけが生き甲斐&才能な若者たち。今夢中になれることに専念させてあげて、という学校&親と、バスケを通じて規律を学び進学させようとするコーチという図式。どっちかというと熱血教師物語だな。スポ根版・金八先生
もっとも、主演は長髪の武田鉄矢じゃなくて、スキンヘッドのサミュエル・L・ジャクソン。顔怖すぎ。
スキンヘッドで眉毛薄くて髭はやしてて、日本人だったら完璧ヤ○ザ。
 
1999年1月にリッチモンド高校で起きた「ロックアウト事件」の映画化。「事件」てほどのものかは疑問だけど、全米で報道され大きな反響を呼んだのは事実。
犯罪が多発する低所得者層街で、部員それぞれが深刻な問題を抱えていたリッチモンド高校バスケットボール部。新しくコーチに就任したカーターは、「悪い流れを変えたい」という信念から、彼らに「三つの契約」を迫る。
1,学業で決められた点数以上の成績を収めること
2,授業には全て出席し、一番前の席に座ること
3,試合の日には上着とネクタイを着用すること
 
当然、そんなん知るか!と、違反者が続々。
そりゃそうだわな。大抵、スポーツの部活をやってれば学業の一部は免除されたりするし。俺の高校時代は、部活の試合で勝てば授業中は寝ててもいいって言われて、実際俺は寝てたし。
しかしコーチ・カーターは、そう安易な路は許さず、常勝チームに育て上げた部員たちをコートから締め出し、全ての活動を禁止。「契約を果たすまでは体育館を閉鎖する」とコートをロックアウトして大騒ぎに、てな内容。
 
いいじゃんか〜そんなに厳しくするなよ〜と迫るPTAに対し、カーターはこう反論する。
「いま、皆さんがやろうとしているのは、子どもたちに対し、目先の利益のためなら約束なんて守らなくても良いと教えることです」と。いいねえ、どっかの政治家に聞かせたいね
でも、その信念の声はPTAとマスコミの騒ぎにかき消され、カーターは追いつめられていくと。まあ、あとは観てのお楽しみということで。
 
感動大作、てほどのことはないけど、全米公開で初登場1位となっただけのことはある。
MTVフィルムズだけに、さすが音楽の使い方は巧い。
 
http://www.cc-movie.jp/
 
追記:DVD化されますた

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