恋しくて

バカ兄貴

http://koishikute2007.jp/020000/
 
先月久しぶりに更新出来たと思ったら、本業のほうに追われてまたまた久しぶりの更新になってしまった。その間、時間を見つけちゃ試写も行ってたし、ネットに繋ぐ時間が全くなかったわけではないけど、なんつーか、精神的に余裕がないと更新する気力が沸かないんだよね。まあ、そういう意味でも「気随式」なんで(笑)、気長にお付き合い頂いている(数少ない奇特な)皆様には、当分こんな感じが続きますがご容赦願います。
 
と、言い訳が終了したところで、最近観た中で一番面白かった邦画を一本紹介。
 
ナビィの恋』『ホテル・ハイビスカス』と、沖縄を舞台にした2作品で好成績を記録した中江裕司監督4年ぶりの新作。本作も舞台は沖縄(石垣島)で、タイトルからも察せられるように原案は石垣島出身のミュージシャン、BEGIN。
ストーリーはBEGINのヒット曲「恋しくて」が生まれるまでの実話がベース…のように作られているが、実は中江監督のオリジナル脚本。BEGINは原案の他、登場人物が「恋しくて」を歌うシーンの歌唱指導と、エンディング曲で協力している。
 
えー、ストーリー紹介は面倒くさいからオフィシャル・サイトを参照てことにするとして(こちら)、物語の骨子は、取り立てて新味のない、他愛のない青春物語。
 
だが、そこに沖縄ならではの大らかさや明るさが加わったことで、腹の底から笑え、心から共感出来る爽やかな秀作となった。うーむ、沖縄パワーおそるべし。
 
なによりも興味深いのは、主要キャストを演じる高校生たちのほとんどが、地元のオーディションで選ばれた素人であること。いや演技未経験の彼らを起用したことが興味深いわけではなく、本作の役者陣の中で、最も気負いのない、自然な演技をしていたのが彼らだったことが面白かったのだ。沖縄弁が自然だったせいもあるのだろうが、プロの役者では決して出せない味があった。
 
中でも、主人公・英順と恋仲になる加那子を演じた山入端佳美(やまのは よしみ)が、実に良かった。明るくてバカで強気で真面目で一本気で純情。しかも自由自在に屁を操る(笑)。英順ならずとも、俺が沖縄の高校生だったらこの娘に惚れるね。たぶん。空手の型もサマになってたし。
 
あ、それで思い出したけど、空手の型って、こうして映画で観るとなかなか良いもんだね。俺の高校時代は組み手専門で型はほとんどやらなかったから、今になってそれが悔やまれるのよ。この映画のように、早朝の海岸で海に向かって型を練習するってのは気持ち良いだろうな。年齢に関係なく出来るしね。
 
まあ、そんなことはともかく、能天気な明るさにゲラゲラ笑い、そのまま素直に引き込まれて素直〜に泣かされ、爽やか〜な気分でエンディングを迎えられる一本。同名タイトル(邦題)でジョン・ヒューズの名作青春映画があるけど、本作もそれに負けず劣らず秀逸な青春映画。日々の仕事に追われてストレス溜まっている人には、いい気分転換になるでしょう。ほんとは石垣島でも行ってノンビリするのが良いんだろうけど、そうもいかないっていう大多数の人は、この映画で2時間分の沖縄を楽しんで下さい。
 
たしか四月頃公開。