地下鉄(メトロ)に乗って

http://www.metro-movie.jp/
 

 
これも一応書いておくか。
 
完成披露試写だったんで、場所は九段会館。レトロ感を狙ったんだろうけど、非常口灯が多すぎて明るすぎるんだよな、あそこ。
舞台挨拶があったのでテレビの取材陣も多数。マスコミの一人として行ってる立場で言えた義理じゃないけど、取材時間長いわ。でも常盤貴子て間近で見るとほんとに小顔だね。芸能人て生で見ると皆綺麗で驚く。
 
1995年に吉川英治新人文学賞に輝いた同名小説の映画化。浅田次郎も「鉄道員」以来すっかり人気作家。人情ドラマのイメージが定着してきた感じ。俺らの世代には「元やくざの馬券師」というイメージが強いんだけどね。「初等ヤクザの犯罪学教室」とか「勝負の極意」なんて方が印象に残ってるし。
 
それはともかく、映画は堤真一演じる真次が地下鉄でタイムスリップしちゃう話。階段上がったらそこは昭和39年でした、みたいな。その時代の真次は中学生くらい。
ていう前半部分でいきなり醒めた。どう考えても年代合わないでしょ。原作が書かれた95年の話だったら解るけど、携帯電話とか出てくるから現代の話みたいだし。39年で中学生だったら現在50歳過ぎだよ。堤真一は、どう老かして見ても40代半でしょ。家族設定的にもそんなもんだったし。最初にそれが気になって、後はどうも身が入らなかった。しかも後半にはタイムトリップ映画における永遠の矛盾「親殺し」まであるし。SF映画ファンとしてはストレス溜まる映画だったわ。
 
まあ、本作にとってはタイムパラドックスは問題じゃないらしい。
主人公が、憎んでいた父親の若かりし日々を知る手段として(タイムトリップが)あるだけで、基本的には「人を赦すこと」や「人を理解すること」の大切さを訴えたかったんだとか。ん〜俺にはさっぱり伝わらなかったけど、言われてみればマアマア描かれていた…かな。多分に原作の力だろうけど。ていうか、今時タイムトリップそのものを描きたいタイムトリップ映画なんてないでしょ。どの映画も「タイムトリップ」は描きたい本筋のための道具に過ぎないわけで。だからといって、タイムパラドックスの問題をおろそかにして良いという理屈は成り立たないんじゃないのかね。まあ、いいけど。
 
てな感じで映画としてはイマイチだったけど、堤真一岡本綾大沢たかお常盤貴子あたりのファンの方はどうぞ。登場人物がさほど多くないから彼らがずっと出ずっぱりで、ファンには喜ばしいことかと。
常盤貴子の演技は例によってアレ。岡本綾は結構頑張ってました。
 

地下鉄に乗って (講談社文庫)

地下鉄に乗って (講談社文庫)