バタリアン5

タールマンだ!

http://www.batarian5.jp/
 
まあまあだね。それなりに「B級」してる。少なくとも前作よりは数段マシ。ストーリーは滅茶苦茶だけど、そーゆーのはどーでもいいの。押さえるべきツボさえきっちり押さえてあれば、この手の低予算ドタバタ・ホラーは(それなりに)楽しめるのよ。
 
しかし、それを考えると『バタリアン4』は酷かったね。なんだありゃ。『バタリアン』シリーズの「お約束」も破壊しちゃったし、ストーリー的にも見せ場的にも、なーんも取り柄のないZ級映画だった。
 
不思議なのは、『4』から数ヶ月で公開される本作が、全く同じスタッフ・キャストによって『4』と同時撮影された続編だということ。なんでこれだけの映画が撮れるのに『4』はあんなに酷かったのかね。
『4』は客も入ったらしい(ほんとかよ)けど、あれ観た観客が数ヶ月後に同じ制作陣の『5』を観に行くかっていうと疑問だなあ。公開順を逆にすれば良かったのに。
 

ストーリーは単純。前作から数年後のアメリカ。前作で巨大企業製ゾンビと死闘を繰り広げたジュリアン(ジョン・キーフ)も、今じゃ大学生となってキャンパス・ライフを謳歌両親は兵器用ゾンビにされ、恋人や弟も生きたまま食われて数年しか経っていないのに、なんとも頭の悪そうな…いや腹の据わった奴である。
そんなある日、叔父チャールズ(ピーター・コヨーテ)が隠していたトライオキシン5(ゾンビになる薬)のドラム缶を見つけたジュリアン。不審に思ったジュリアンは、それを科学オタクの友人コーディーに検査してもらうことに。ていうか、叔父のしていたことを思えばまず警察に通報すべきだと思うのだが、そこは頭の悪い…じゃなくて腹の据わったジュリアンであるから、友達のほうを信じるのであった。
 
ところが、このコーディーって奴も(前作から出てるくせに)過去から学ばない馬鹿。ドラム缶から滲み出た液体を利用してドラッグを量産し、金儲けのために学園中にばらまいてしまう。案の定、ドラッグを飲んだ大学生たちが次々とゾンビに変身。しかもその夜はハロウィンのレイブパーティー。ハロウィンのコスチュームを着た連中が狂ったように踊りまくる会場で、もう誰が人間で誰がゾンビなんだか判別不能となり、後はお約束の阿鼻叫喚地獄。わははは。喰え!殺せ!
かくして殺戮レイブは大盛り上がり。「Brain(脳みそ)〜!」て叫びながら、女子のおっぱいやお尻に噛みつくバカゾンビたち。もう、セックスしてるんだか喰ってるんだかすら判別不能だけど、どうでもいいや。とにかく喰え!殺せ!全然怖くないけど、バカバカし過ぎておもろい。
 
トライオキシン5を追いかけるMIBコンビや、第一作から復活したタールマンなど、それなりに笑える(笑いを意図したのかどうかはしらんが)要素もあり。単体としてはかなり低レベルだけど、『4』と比較すれば何倍も面白かった。まあ、それだけ『4』が酷かっただけって気もするけどね。

バタリアン4 [DVD]

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